英国交通事情:にっくきラウンドアバウト
日本の交通ルールは、世界的には少数派の左側通行。
そして、ここ英国も同じく少数派の左側通行。
車を運転する上で(街を歩く時もだけど)、頭の中で妙な情報修正をする必要がないので、移り住んでいる身としてはこれは大変ありがたい。
実際、右側通行の国から来られた方々と雑談した際、まず混乱したのが交通の進行方向だと口を揃えて言っていた。
まあ、確かに、かなり大きな違いだわな、これは。。。
因みに日本が左側通行なのは、右側通行だと侍の刀の鞘同士がぶつかって、それが原因の殺し合い多発したから・・・らしいです。こわーーーい💛
左側通行ってことでかなり楽ではあるのだけど、それでもこっちで日常的に運転するようになり、日本とは違うと感じた点が大きく二つある。
まず、一つ目は、当初かなり面食らったのだが路上駐車が異様に多いこと。
路駐OKな場所がめちゃめちゃ多いので、2車線の対面通行の道路であっても、両端が車で埋め尽くされていて、実質中央の1車線状態になっているなんてことがザラ。
そんな場合は当然2台がすれ違うことができないので、お互いに空気読んで車線を譲ってやり過ごすなんてこともザラ。
駐車の向きが自由すぎて、駐車するために対向車線に突進してくるなんてこともザラ。
ちょっと大きな道路だと、突然道路中央のスペースにトラックが停まって荷物の積み下ろしをし始めるなんてこともザラ。
などなど、日本の交通常識からは想像がつかないことだったので、最初は一瞬思考停止してしまうこともあった。が、、、
「ああ、この国ではこういうものなんだ」
と、幸いにも丸ごと受け入れてしまえるレベルのものであったので、今となってはさしたる支障はない。
なんなら今日も右車線に突っ込んで路上駐車してきたくらいだ。
そしてもう一つ。
今となっては攻略済みなのだけど、なかなか慣れることができなかったのが「ラウンドアバウト(RA)」と呼ばれる交差点である。
どのような交差点かを簡単に説明すると、、、交差点の真ん中に「丸」があって、その周りを車がグルグル走り回っているので、自分もそのグルグルの中に飛び込んで、一緒にグルグル回って好きな出口から出て行く、というものだ。
「丸」のサイズは様々で、道路にペイントしただけの直径2mほどの小さいものから、直径数十メートルにわたる緑地帯のような大きなものまである。
私が生まれて初めてRAを目の当たりにした際、思わず連想したのはザンギエフのダブルラリアットである。
でかいトラックや二階建てバスなどの重量級車両がRAを走る様ときたら、クイックダブルラリアット連打で近寄られ、スクリューパイルドライバーをくらって大ダメージを受けた時のような迫力に、勝るとも劣らないものがあった。
そんな迫力に加え、さらに私を悩ませたのが「RAには基本的に信号がない」という点である。
一体いつ、どのタイミングで飛び込めばよいのか?マジ、サッパリフメ~、なのだ。
下手に飛び込もうもんなら事故になりかねんわけで、当初は長縄にいつまでも飛び込めない小学生のような心境で様子を伺い、完全に車の流れが途切れた時にのみ飛び込む、という超安全策をとるしかなかった。
また、大きなRAの場合は2~3車線ある場合も珍しくない。
グルグル回りながら車線変更したい場合、安全確認はどっちを見れば良いのか、とっさに理解することが難しい。
RAの大きさにもよるが、直線であれば左後にいるはずの後続車が、RA内だと真後~右後にいたりするのだ。
後方確認ができない→車線変更ができない→出口を逃す→もうワンラウンド余分に周回・・・などということもよくあった。
このRA、日本の「交差点=信号」という文化で育ちきったアラフォーのおっさんからすると理解が追い付かない点が多々あり、当初は軽いRA恐怖症であった。RAを通りたくないがゆえに、わざわざ遠回りしてRAの無い道を選んだりもした。
RA攻略のためにググってみて「右から来る車が優先」というルールを頭では理解していたのだけど、なかなか感覚に昇華させることができず、暫くはビクビク運転が続いた。
で、何度か繰り返すうちに、RAへ飛び込む感覚は
「日本の左折と同じ!(たとえ直進であっても)」
というわかりやすい理解に落ち着くことができ、それ以降は苦手意識もなくなった。
この期間は長かった。。。2か月くらいビクビクしていたような気がする。我ながら時間かかりすぎだと思うばかりである。
もともと、それほど運転好きってわけでもないので、英国と日本の交通事情に共通点が多く、自身で補正すべきことがこの程度で済んだことは非常にありがたいなと感じる。
ベトナムの渋滞の写真とか見ると、とてもじゃないがあの中で運転できると思えないし、右側通行の国のラウンドアバウトとかも、想像するだけで酸欠になりそう・・・。
左側通行のこの国で、安全運転で事故など起こさず、帰国まで乗り切ることを心がけようと思う。
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