妻の放言(ドライブミュージック)
10代に口ずさんだ歌を、人は一生、口ずさむ
なんてキャッチコピーをガッキーがWALKMANのCMで言っていた事があって、
確かにそうかも〜
しかもガッキーが言ってるし〜
とあっさり感化されてWALKMANを買った事があった。
ガッキーが言ってたから、と言うわけではないが、やはり四十半ばを迎えた今でもよく聞くのは私が十代の頃流行っていたアーティストのものが多い。
就職してからというもの、音楽番組を寝そべって見るような時間は無くなり、同時に新しいインプットもほとんど無くなったので、やはり最後に聞いていたお気に入りの音楽を選んでしまいがちなのは、当然と言えば当然の流れなのだと思う。
あまり音楽にこだわりがあるわけではないので、持っているCDもB'z、ミスチル、槇原敬之、宇多田ヒカル、aikoなど、まぁ日本人なら大抵の人が知っているアーティストのベスト盤なんかを数枚所持している程度。入ってる曲も20年くらい前のばっかりだ。
日本で車を売却して以降、これらのCDを聞くこともすっかり無くなったのだが、イギリスでは再び車と共に生活することが分かっていたので、とりあえずCDは一式持ってきた。そして車を運転する時によく聞いている。
久々に聞いた曲たちは、当時の感覚や出来事なんかをぼんやりと思い出させてくれて、まあまあ心地よく、長距離運転の時なんかは眠気防止にも役立つ。
その中でも私のお気に入りは、小泉進次郎構文で言ってみると持田香織こと持田香織を擁するELTの楽曲だ。
ある雨の日、仕事帰りの奥様を駅まで車で迎えに行ったことがあった。
ドライブミュージックはもちろんお気に入りのELTである。
「ただいま〜」
と乗り込んで来て、ママの帰宅に喜ぶ後部座席の子供達とひとしきり会話を交わしたあと、奥様はぶっきらぼうにこう言い放った。
「私、ELT嫌いなんだよね、他のに変えてよ」
と。流れていた曲とは裏腹に「愛のカケラ」は微塵も感じられない、いきなりMaxの要求事項である。
これを聞いて私は
はぁ!?
と思ったわけだ。
思い返せばELTが登場した当時、20歳前後で若手芸人バリにトガりにトガっていた、つもりの私は、
なんか流行りを狙った安っぽい楽曲で、
英語の歌詞の発音も酷すぎんかこれ?
続くよフューチャーワールド•••
って全部そのままカタカナやんか!
こりゃお前らのフューチャーは続かんわ!!
と、とりあえずの悪態をついたりしてたわけだけど、なんだか結局彼女の声の感じが好きで、結局キャッチーな感じの楽曲も耳についちゃって、結局気になってしまって、更に歌番組で初めて見たモッチーが可愛かったので、結局ついついそのまま聞くようになってしまって思う壺で、、、でもCDは高いから買うのは嫌で、新作アルバムが出たらレンタルしてコピー作って当日返却とかしたりして、それを未だに細くながーく聴き続けていて、近頃は完全に芸人にオモチャにされている印象しかないギターの伊藤一朗が大好きで、、、言ってみれば長年のELTファンなわけですよ。それを、
「ELT嫌いなんだよね、他のに変えてよ」
と言いおるわけだ。
白黒だった私の青春時代にカラースプレーを塗ってくれたELTに対するNeverStop!な暴言。
「嫌いだから変えろなどと、
なんてこと言いやがるんだコノヤロウ!!」
と言ってやっても良かった。
というか、こんな言い方じや物足りないくらいだ。
しかし心と体の間に高性能な忖度回路を備えている私は
「ハイ、よろこんで〜」
と、居酒屋チェーン店風に即答である。
そして奥様が選んだCDは、私の眠気を催すエリッククラプトン。
「だれこれー?だれこれーー?」
と質問を飛ばす子供らに、
この人凄いんだよ!
ギター1本でボロ儲けなんだから!
と、再びぶっ放す奥様。
←この人
リスペクトしてるんだろうけどそれを微塵も感じさせない、それどころか逆にディスってると言われかねない誉め言葉で世界のエリッククラプトンのことを説明していた。
「へー!すごいねー!すごいねー!
お金持ちなんだねー!」
と応じるボキャ貧な子供達。
もし、うちの子達に会うことがあればぜひ尋ねてみてほしい。
「エリッククラプトンって知ってる?」
と。
きっと大好きなママから教えて貰った説明をそのまましてくれると思います。
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