人生の夏休み 〜ロンドン駐夫の記録〜

「どうも、キャリアウーマンです」なワイフにライフを激しくコントロールされまくる、日々をまったり過ごしたいアラフォー終わりたての中年男子です。 職場の理解も快く得られ、晴れて休職。子供(姉・弟)と共に、妻の転勤、駐在に帯同する形で地球の裏側まで引っぱられ、ただ今初めての駐夫・専業主夫を経験中。 ほぼ同内容のInstagram【ID : @pondotaro】をこちらで清書。渡英前の事なども順不同でつぶやきます。

マクミランカフェを手伝ってみた

子供らが通う学校で Macmillan Coffee という謎のイベントがあるらしく、そのボランティアを募集していた。
例によって、ちょっと何言ってるかわからないイベントなのだけど、開始時間が14:15で14:55に終了、そのまま15:00に子供のPick upに移れるという、親にとって都合が良い、なんともparents friendlyな時間帯で開催されていたので、何か発見でもあればと思い参加してみた。

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会場に行ってみると、このイベントの責任者(といっても生徒の母親)の方が1名と、ボランティアが私含め5,6名。
私にあてがわれた仕事はコーヒー・お茶の販売員。
PTAの範囲内でのユルいイベントなので、コーヒーはインスタントだし、お茶もティーバッグ。そして商品価格は一律50ペンス。

 

こっちでの日々の買い物はカード払いばかりなので、ほとんど現金を使わない。
そのせいもあって、未だに英国の硬貨がどんなものなのかはっきり覚えていないので、最初は少々戸惑ったのだけど、簡単な作業だし、交わす言葉も限られているので、すぐに慣れて卒なく販売員の役割をこなせるようになり、少々余裕が出てきたあたりで、

 

 これはいったい何のイベントなの?

 

と、同じくコーヒー・お茶の販売員になった相棒のおじちゃん(でも多分年下)に聞いてみたところ、

 

 癌患者向けの治療費寄付イベント

 

とのことであった。いわゆるチャリティイベントである。

 

イベント名に「カフェ」という文字が含まれているだけに、開催の形態も一応カフェ形式。
給仕する側は全員ボランティアで、ボランティアが持ち寄ったケーキやお菓子、飲料などを販売し、その売り上げが全て寄付金になるようだった。

具体的にどのような構造になっているのか良く分からないのだけど、Macmillan Coffee と銘打って英国中のそこかしこで同様のイベントが開催されていて、各会場の売り上げが全て寄付金として、元締めというか主催元と言うか、とにかくそういう中枢組織的なところに集まって、目的の闘病患者支援金になるみたいだった。
なんか、24時間テレビと似ているな、と。。。

 

例えば、1万円の募金を集めるのに、ボランティアが2万円相当の奉仕活動をしたとすれば、

 

「だったら何もしないで最初から1万円募金すりゃ効率良いんじゃないの?」

 

という意見もあると思うし、私自身、24時間テレビとかを見てそんな実も蓋も無いようなことを思ったこともあったのだけど、これはきっとそういう机上計算で短絡的に語っちゃいけないことなのだろうな、と、実際にボランティア活動に携わってみてぼんやりとではあるが認識が変わった。

 

ただ単に学校の入口付近に募金箱を置いたとしても、ほとんど募金は集まらないと思う。
このようにイベント化し、ボランティアの無償奉仕によって現場がそれなりに盛り上がったからこそ、募金額もそれなりに集まるものなんだな、と、なんとなぁ~くではあるが、お茶汲み作業をしていてそのように感じた。

 

このイベントで集まった寄付金は£362。日本円にして5万円強といったところ。
品物は一律50ペンスなので、724個の商品が売れたことになる、、、が、どう贔屓目に見てもそんなに売れたわけがないので、その他の寄付も含まれているのだろう。

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公式HPによると、全体では£20,127,875。日本円にして30億円弱!?が集まった模様。
す、すげぇな・・・、しかもまだ日々増加中みたい。
https://coffee.macmillan.org.uk/

 

こてこての理系の私は、こういう話は「熱効率」に似ているなぁ、と感じる。
エンジンみたいな動力機構は、燃料をガンガン燃やしてモノを動かす力に変換するのだけど、その効率は30%くらい確保できれば御の字。
残りの70%のエネルギーは摩擦熱や放熱やらで消えてしまうわけだ。


こういったチャリティイベントも、70%のボランティア活動あってこそ30%の現金寄付が生まれる、のように「熱効率」的な感じなのだろうと思ったりする。正確な比率は分からんけども。

Macmillan Coffee のことを全く理解しておらず、財布すら持って来ていなかった私はビタ一文現金寄付はしなかったのだけども、前述の「熱効率」理論に基づけば、ビタ一文後ろめたさを覚える必要は無いってことになるなぁ。よかったよかった。

27.9.2019