人生の夏休み 〜ロンドン駐夫の記録〜

「どうも、キャリアウーマンです」なワイフにライフを激しくコントロールされまくる、日々をまったり過ごしたいアラフォー終わりたての中年男子です。 職場の理解も快く得られ、晴れて休職。子供(姉・弟)と共に、妻の転勤、駐在に帯同する形で地球の裏側まで引っぱられ、ただ今初めての駐夫・専業主夫を経験中。 ほぼ同内容のInstagram【ID : @pondotaro】をこちらで清書。渡英前の事なども順不同でつぶやきます。

ラッパー用語の〜ルーツに〜出逢った〜〜〜

タイトルは世界ウルルン滞在記下條アトム風でお願いします。

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先日、

 D「これ、どういう意味か教えてくれないかい?」

と、D爺が書道の作品を持ち出してきた。

D爺には古くからの日本人の知人がいて、その方が送ってきたものだそうだ。

 山あれば・・・

いきなり読めん。何を見るんだ?

 雨の日は・・・

これも読めん。何を聴くんだ??

 春夏秋冬

一文字目は「春」なの??「すち」にしか見えんのだが。。。

ということで、見せられてあっという間にギブアップして持ち帰ることに。

奥様にも見せてみたが読めないとのことで、

 奥「多分誰かの句の書き写しだろうからググってみれば?」

と言われ、言われるがままにググってみたら一発でヒット!

種田山頭火という俳人

 山あれば山を観る
 雨の日は雨を聴く
 春夏秋冬
 あしたもよろし
 ゆふべもよろし
 すなほに咲いて
 白い花なり

という句を書き写したものであることが分かった。

 いやいや、崩し過ぎで私にゃ読めませんぜ・・・。
 山と雨なんて一文字目と二文字目別人じゃん!
 というか山頭火って聞いたことあるけど俳人だったんだ。
 ラーメン屋のイメージしかなかったわ。。。
 高校の時に習ってたりすんのかな??全然覚えとらんけど。

で、調べた結果をD爺に説明したわけですが、D爺も自身の知識と色々結びつくところがあったみたいで、ほうほう言いながらきいてくれてて、

 D「これはライムするのかい?」

という質問がでた。

 え?ライム?ライムって言った??
 ライムってあのラッパー用語のライム?
 韻を踏むって意味のライム(rhyme)??

今はもう終わってしまったようだけど、MCバトルと呼ばれる、ラッパーたちがお互いを即興ラップで罵り合う様をひたすら流すフリースタイルダンジョンって深夜番組があって、それが結構好きで毎週録画して見てたんだけど、そこで知ったラッパー用語のライムという単語がD爺から出てきたもんだからビックリしたわけです。

・詩は韻を踏むこともあるけど、必須ではない。
・制限があるポエム的なものとしては、俳句と短歌っていうのがあって、それには字数とか季語の制限がある。

という感じで説明したところ、

 D「この国でも似たような文化があるから紹介するよ。」

ということで本を持ってきてくれた。

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この本、いわゆる詩集的な本なので、イカついラッパーたちのイメージとは対極に位置するようなものである。

・・・が、タイトルに「バース(VERSE)」とあって、これもあのラッパーたちが頻繁に口にするワードである。

 D「私自身はあまりこういうバース遊びはしないので詳しくはないんだけど。。。」

と言うことではあったが、この本に載ってる作品をいくつか見ながら説明してくれた。


説明聞いてたらバースとかリリックとかライムとか、イカつい風貌のラッパー達がちょいちょい口にするワードをD爺もちょいちょい言うので

 D、D爺(80歳超)がラッパー用語使っとるわ。。。

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と、フリースタイルダンジョンに出てきてたラッパーたちとD爺のギャップがあり過ぎるのでなんか笑ってしまった。

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本を見ながら、定型のライムパターンがいくつか存在するということを教えてくれた。
写真に収めた The sun rising という詩は、

 ABBACDCDEE

というパターンみたい(ちょっと変則的?)。

確かに言われてみれば、各行の最後のワードが

 A(sun)
 B(thus)
 B(us)
 A(run)
 C(chide)
 D(prentices)
 C(ride)
 D(offices)
 E(clime)
 E(time)

のようにライム(韻を踏んでいる)してる!
これを複数人で順番に即興で一行ずつ詠んだりするそうだ。

いや~~~これは、完全にラッパーのMCバトルと一緒じゃないですか!
聞けば聞くほど完全にMCバトル!!
あれのルーツはこれだったんか~。

 日本の俳句・短歌の文化にも確かこういう遊びあったよな??

と思い調べてみたところ、複数人で歌を読み続ける「連歌」ってのがあった。

形は違えど言葉遊びの文化が同じようにここにもあった。
自分の知識が遠い異国文化に通じていることを知る瞬間って、なんか時空越えのロマンみたいなのを感じちゃったりするので、いくつになってもなかなかに興味深いものです。

 

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