人生の夏休み 〜ロンドン駐夫の記録〜

「どうも、キャリアウーマンです」なワイフにライフを激しくコントロールされまくる、日々をまったり過ごしたいアラフォー終わりたての中年男子です。 職場の理解も快く得られ、晴れて休職。子供(姉・弟)と共に、妻の転勤、駐在に帯同する形で地球の裏側まで引っぱられ、ただ今初めての駐夫・専業主夫を経験中。 ほぼ同内容のInstagram【ID : @pondotaro】をこちらで清書。渡英前の事なども順不同でつぶやきます。

IgA血管炎・イギリス闘病記⑧ 妻と交代

2月22日(月):
発症13日目入院6日目

4時、6時、10時、13時、17時、19時、とかなりの頻度で足揉みをした。
最初は痛がっていたが、途中からは痛いながらも心地よさも感じているようで、足揉みを催促するようになった。
妻の知り合いで某大学病院の教授の方がいて、その方が相談に乗ってくれたそうだ。
アドバイス、、、というか見解として以下のような内容を頂いた。

  • 小児は予備力が少ないので、すぐに症状が悪化しやすい。一方で回復力は大きいので症状改善も急速。コロコロ症状が変わりやすい。
  • ステロイドは即効性が無いので、早い段階に短期間使うというのが原則。初期を過ぎてしまった今となってはあまり効果を望めないと思う。
  • 担当医が変わるのは日本以外の先進国では当然のこと。医師も仕事と割り切って働いており、日本のようにボランティア精神で働く医師がいる(今や日本でもそうは言えないかも?)ことの方が世界標準でみると少数派。

特にステロイドの話は昨日落胆していただけにありがたい情報であった。
そういえば私も以前、顔面神経麻痺という病気で入院したことがあったが、

 症状のピークをなるべく低く抑えるためにステロイド剤を使います

という説明を受けたことがあったのを思い出した。
その時は「ふーん」くらいしか思っていなかったのだが、なるほどステロイド剤にはそういう特徴があるのか、と十数年越しに腑に落ちた。
こっちの医師もこういう説明をしてくれるといいのだが。。。

点滴用のカヌラが痛いと言い出し、交換することに。
針を刺す行為は病室担当の看護師では出来ないようで、毎回その行為が許されている医師(もしくは資格持ちの看護師?)が来る。

息子の場合、衰弱して血管が細くなっているようで、針刺しが一発で成功することがほとんどなく、麻酔無しで何度も刺されて結局失敗したことがあった。

それ以降は、血液検査やカヌラで針を刺すときは、必ず麻酔クリームをしてくれるようにお願いをしていたのだが、こういうお願いもさっぱり共有されない。

針刺し処置のためにやってくる医師は毎回別人であり、こちらが黙っていたらそのまま針を刺そうとするので、都度麻酔クリームをしてくれるようにお願いしていた。
子供相手なので、医師達は皆快く了解してくれるのだが、

  • その医師が看護師に麻酔クリームをお願いし、看護師が麻酔クリームを塗ってくれるまで1時間
  • 麻酔クリームを塗って麻酔が効き始めるまで40分
  • そして、針刺しができる医師が再びやって来るのは4~5時間後

皆忙しく、タイミングも合わないのだろうけど、あまりにも効率が悪い。
さすがに毎日頼んでいるのだから少しくらいは情報共有してほしいものである。
まあ、、、もともと期待していたかと言われれば、してなかったのだけど、、、やっぱり期待できないんだなぁ・・・と再認識。

さらにこの日は麻酔クリームの塗り方が悪く、結局麻酔の効いていない場所に針を刺すしかなくなってしまった。
そして案の定一発で針刺しを成功させることはできず、何度も探るように針を刺された息子は、

 もうやだ~、もうやだよぉ~・・・

と、泣きながら耐えていた。
また痛い思いをさせてしまい、息子に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。。。
次回からクリームは広めに塗ってもらうようにお願いしなくてはいけない。

この日くらいから徐々に、本当に徐々にではあるが快方に向かい始めた。
足揉みが効いたのか?もうピークを過ぎたのか?どちらかは分からないが、良く寝るようになり、喋り声も力がこもってきた。
妻は仕事の調整があり、明日交代することに。

2月23日(火):
発症14日目入院7日目

午前3時に息子が嘔吐し、シーツ交換に。
付添いは24時間いつでも対応が必要。大変だ・・・。
24時間体制で対応してくれるNHSにも感謝の気持ちは大きかった。
雑な対応が多い、、、というか多すぎるのが「玉に大きなきず」ではあるが。

午前10時にまた嘔吐。
看護師が定期的に胃の中のものを、鼻チューブ経由で吸引してくれているのだが、抜き残しがあったりして嘔吐することも。
ただ、裏を返せば、しっかり吸引しなければまだまだ嘔吐してしまう状態ということでもある。
IgA血管炎を調べているうちにたどり着いたアメブロがあり、その方のお子さんの場合は入院50日でようやく退院になったそうだ。。。

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今日で発症2週間、入院1週間。
腹痛・嘔吐などはやや減少傾向に感じていたが、紫斑は増加傾向。
薬や胃液吸引で症状が緩和されているだけで、実際のところはまだまだ山を越えていないのかも知れない。
息子の入院も長期化するかもな・・・と、何とも不安になる。

昼過ぎに妻と付添いを交代。
一週間ぶりに外の世界に触れた。

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入院前は咲いていなかった水仙がチラホラと咲いていて、春の訪れにつかの間ではあるがなんとも清々しい気分になる。
妻から家の空気の入れ替えや、掃除の続きをしておいて欲しいとお願いがあったので、思い切り大掃除をした。

妻から連絡があり、医師から、

 この病院でできる処置はもう完了したので
 明日Kingstonの病院へ戻ってもらいます

と言われたとのこと。
Kingston Hospitalであれば、家から歩いていける距離である。
病院が近くなることは看護する側としてはありがたい話であるが、一方で、設備が劣る病院に戻されることについて少々不安も感じた。
・・・が、処置が終われば元居た病院に戻るのがルールのようで、従う以外ないようだ。

数日のうちに妻と交代して病院に戻るつもりだったので、細々とした私の荷物は全て病室に置いてきてしまっていた。
明日の転院の際に、それらも妻一人で持って移動と言うのはかなり無理があったので、19時頃に一部の荷物を引き取りに再び St. George Hospitalへ。

駐車場へ到着し、妻が荷物を持ってやって来るはずだったのだが、なかなか出てこない。
暫くして連絡があり、息子の点滴の不具合調整対応が入ってしまったとのこと。
妻が医師に説明したところ、

 あなたが行くのではなく取りに来させなさい

との指示があったそうだ。

たしか、病棟に子供は入ってはいけないとの貼り紙があった気がしたのだが、、、娘を一人で駐車場に残していくと、それはそれでこの国の法律上マズイことになるし、そもそも危ないしで、娘と二人で病棟まで向かった。
そのまま病室の前まで行き、荷物を受け取ったところ、案の定

 患者以外の子供をここに連れてきてはいけませんよ!

と注意を受ける。。。
妻に指示した人とは別の人なのだろう。
いちいち反論するだけエネルギーの無駄なので、

 あ、すんません

とサラッと言ってそそくさと退散。
久々に家でゆっくり風呂に入って床に就き、次の付き添いに備え体力を回復。

  

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